真夏なのに手足が冷たい、お腹が痛む…それは「夏の冷え」かもしれません。冷房や冷たい飲み物で体が内側から冷えると、体調不良の原因になります。夏の冷えは、放っておくと自律神経の乱れや女性特有の不調にもつながるため、早めのケアが大切です。
夏の冷えは“内側冷え”にご用心!
今年も酷暑が始まり、これから気温も湿度もピークに。外は暑くても室内は冷房でひんやり、冷たい飲食が増えることで「内側冷え」が起きやすくなります。漢方では、「気」「血」「水」の状態や「冷え」の程度を見極め、その人に合った改善方法で体のバランスを整えます。

におすすめの漢方薬3選
1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 血の巡りや水の代謝が悪く、冷えてむくみやすいタイプ
2.人参湯(にんじんとう): お腹が冷えて痛んだり、胃腸が弱くて下痢をしやすいタイプ
3.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう): 疲れやすく、体力も免疫力も落ちているタイプ
1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えとむくみを改善し、血の巡りをよくする。冷え性で体が重だるい方に。
こんな症状に:
・手足が冷える
・足がむくみやすい
・生理不順やPMSがある
含まれる生薬:当帰、芍薬、川芎、茯苓、蒼朮(白朮)、沢瀉
体の血の巡りを整え、水分バランスも調節します。冷えやすくむくみがちな方にぴったりです。
2. 人参湯(にんじんとう)
お腹の冷えや痛みに。内側からしっかり温める漢方薬。
こんな症状に:
・冷たいものを摂るとお腹が痛くなる
・下痢をしやすい
・食欲がない、胃もたれする
含まれる生薬:人参、乾姜、甘草、白朮
冷えからくる胃腸トラブルを内側から温めて改善します。冷房や冷たい食べ物でお腹が冷えて調子が悪くなりやすい人におすすめです。
3. 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
夏に体力が落ちやすい方に。疲れた体をやさしく回復。体を少し温める作用もあります。
こんな症状に:
・体がだるく、やる気が出ない
・食欲がなく、夏に体重が減る
・風邪をひきやすい
含まれる生薬:人参、白朮、茯苓、甘草、当帰、芍薬、川芎、地黄、黄耆、桂皮
消耗した体の「気」と「血」を補い、体力と免疫をつけていく漢方です。夏に疲れが取れにくい方にぴったりです。
冷房冷え・内臓冷えなど夏の冷え取りには漢方薬
夏は体の外は暑くても、中は冷えていることがよくあります。冷えによる不調をそのままにせず、体質や状態に合った漢方薬で早めに整えましょう。「証」を見極めて使うことで、夏の冷えによる不調を根本からケアすることができます。自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、夏の不快な症状に打ち勝つ体づくりを始めましょう。