夏の不調「夏バテ」とは?早めの漢方ケアが鍵!
梅雨のジメジメとした気候のあと、夏の厳しい暑さとともに、体が重だるい…なんてこと、ありませんか? 食欲も落ちてしまったり、やる気が出なかったり。そんな夏の不調は、早めのケアが大切です。つらい夏バテ、今年は漢方の力でスッキリ元気に乗り切りませんか?
夏バテは「気」不足と「湿」が原因。漢方で巡りを改善!
夏バテは、漢方では体に必要なエネルギー「気」の不足や、体内の余分な「湿」の停滞が主な原因といわれています。暑さで「気」が消耗すると夏バテ特有のだるさや食欲不振になったり、湿度で「湿」が溜まると体が重く感じたりします。夏バテに使われる漢方薬は、「証(体質や状態)」に応じて、消耗した「気」を補い、溜まった「湿」を取り除くことで、その人にあわせたつらい症状を和らげてくれます。

夏バテにおすすめの漢方薬3選
1.清暑益気湯(せいしょえっきとう): 暑さで元気がなくなって食欲が失せ、夏痩せが気になるタイプ
2.五苓散(ごれいさん): 冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎでお腹の調子が悪くなりやすいタイプ
3.六君子湯(りっくんしとう): もともと胃腸が弱く、夏バテによりさらに食欲がなくなっているタイプ
1.清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏の暑さで弱った体に、元気と潤いをチャージ。暑い時期の体力維持にもおすすめ。
こんな症状に :暑さでぐったりしてしまい、食欲がない/汗をたくさんかいて、体がだるい/夏風邪をひきやすく、また長引いている
含まれる生薬 : 人参、黄耆、麦門冬、五味子、黄耆、当帰、白朮(または蒼朮)、陳皮、甘草
夏の暑さで消耗した「気(エネルギー)」と体の「潤い」を補給し、体にこもった熱を冷ましながら、余分な湿気を取り除く働きがあります。
2.五苓散(ごれいさん)
体内の水分バランスを整えて、むくみや頭痛をスッキリ。夏の暑さによる口の渇き、天候に体調が左右されやすい方にもおすすめ。
こんな症状に : 体がむくみやすい/頭痛やめまいがする(特に天気が悪い日など)/下痢をしやすい/冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎでお腹の調子が悪い
含まれる生薬 : 沢瀉、猪苓、茯苓、白朮(または蒼朮)、桂枝
体内の余分な水分を尿として排出しやすくし、水分の偏りを整える働きがあります。「水(すい)」の巡りをスムーズにして、むくみやめまいなどの不調を和らげます。
3.六君子湯(りっくんしとう)
弱った胃腸を元気にして、食べる力をサポート。胃腸がデリケートで疲れやすい人の体質改善にもおすすめ。
こんな症状に : もともと胃腸が弱く、食欲がない/食べると胃がもたれやすい、または吐き気がする/疲れやすく、元気が出ない/手足が冷えやすい/貧血気味で顔色がすぐれない
含まれる生薬 :人参、白朮(または蒼朮)、茯苓、半夏、陳皮、大棗、生姜、甘草
弱った胃腸の働きを高め、消化吸収を助けることで、「気(エネルギー)」を生み出す力をサポートします。食欲を増進させ、体全体の元気を補います。
「気」「湿」×体質で早めの夏バテ対策を!
夏バテによる、だるさ、食欲不振などは体からのSOSサインです。漢方では、夏バテの原因となる「気」の消耗や「湿」の停滞を、「証(体質)」に合わせて改善します。
自分に合った漢方薬を見つけて夏バテとうまく付き合っていきましょう。自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、夏バテに負けない体づくりを始めましょう。