「またかも…」トイレが近くなったり、排尿時にツンとした痛みを感じたり、スッキリしない感じが残ったり。膀胱炎は、女性にとって繰り返しやすい悩ましい症状。つらい症状は我慢せず、早めのケアを心がけましょう。
夏の膀胱炎、漢方で内からケア
本格的な夏が始まる7月頃は、冷房による冷えや汗によるムレ、水分不足などで膀胱炎が起こりやすくなります。漢方では、膀胱炎の原因を体内の余分な「熱」や「湿(水の滞り)」と考えます。体質や状態(証)に合わせ、これらの原因にアプローチしてつらい症状を和らげる漢方薬を見つけましょう。

膀胱炎におすすめの漢方薬3選
1.猪苓湯 (ちょれいとう): 排尿痛や血尿などの排尿トラブルがあり、口が渇きやすく、尿がスッキリ出ないと感じるタイプ
2.五淋散(ごりんさん): 冷え症で何度もトイレに行きたくなり、排尿時のツンとした痛みや残尿感が慢性化していて気になるタイプ
3.竜胆瀉肝湯 (りゅうたんしゃかんとう): 体力があり、イライラしやすく、炎症が強いと感じる方の膀胱炎や陰部のかゆみがあるタイプ
1.猪苓湯(ちょれいとう)
スッキリしない排尿感や残尿感に。おしっこの悩みを抱え、口が渇きやすい方に
こんな症状に:
・排尿してもスッキリしない、まだ残っている感じがする
・排尿時に痛みがある
・トイレの回数が多い
・尿の量が少ない
・血尿が出ることがある
・のどが渇きやすい
含まれる生薬:猪苓、茯苓、沢瀉、滑石、阿膠
体の余分な熱を冷まし、尿の出をスムーズにするお手伝いをします。膀胱の炎症を和らげつつ、必要な潤いを守り、排尿トラブルをケアします。
2. 五淋散(ごりんさん)
繰り返す排尿時のツンとした痛みや頻尿に。冷え症の人の慢性的な膀胱炎のお悩みにもおすすめ
こんな症状に:
・排尿時にツンとした痛みや熱さを感じる
・何度もトイレに行きたくなる
・排尿後もスッキリしない感じが続く
・尿が濁っていることがある
・血尿が出ることがある
・下腹部に不快感がある
・冷え症で手足が冷える
含まれる生薬:茯苓、当帰、黄芩、山梔子、芍薬、地黄、甘草、沢瀉、木通、滑石、車前子
膀胱の炎症やこもった熱を鎮め、排尿時の不快な症状を和らげます。血の巡りも整え、繰り返しやすい膀胱炎にも用いられる漢方薬です。
3. 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
イライラがあり、炎症が強く、おりものも気になる方の膀胱炎や陰部のかゆみに
こんな症状に:
・排尿時の痛みが強い、尿が濃い
・残尿感がある
・陰部にかゆみやただれがある
・おりものの量が多い、色が気になる
・イライラしやすい、怒りっぽい
・比較的体力がある
含まれる生薬:竜胆、黄芩、山梔子、木通、車前子、沢瀉、当帰、地黄、甘草、柴胡
体の余分な熱やジメジメした湿り気を取り除き、特に下腹部の強い炎症を鎮めます。ストレスが関わる体の熱や炎症にもアプローチします。
暑さ、湿気、冷えで起こるつらい膀胱炎、体質に合った漢方でスッキリ!
夏の膀胱炎は、暑さや湿気、冷えなどが原因で起こりやすくなります。漢方では、その方の体質や状態(証)を見極め、根本に働きかけることで症状を和らげます。我慢せずに、自分に合った漢方薬を見つけて、不快な症状とサヨナラしましょう。自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、夏の不快な症状に体づくりを始めましょう。