なんとなく胃が重くて食欲が出ない…。そんな胃のもたれや食欲不振は、夏の疲れが出やすいこの時期に多く見られます。放っておくとさらに体力を落としてしまうことも。早めの漢方ケアで元気をとり戻しましょう。
夏疲れが胃にくる9月の不調に。漢方で整える「気」と「胃」
暑さによる体力の消耗で、エネルギー不足=「気虚」になりやすい時期。冷たいものの摂りすぎや湿気の影響で、胃腸の働きも弱りがちです。その人の体質や今の状態に合わせて、胃腸を整え、消化力や気の巡りを助ける漢方薬で内側からの元気を支えましょう。

胃もたれ、食欲不振におすすめの漢方薬3選
1. 六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く、疲れやすく、食べるとすぐ胃がもたれるタイプ
2. 平胃散(へいいさん):消化障害になりやすく、食後に胃の不快感や膨満感があるタイプ
3.半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃と腸のバランスが乱れ、みぞおちがつかえて不快なタイプ
1.六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱って元気が出ない方に。食欲不振や疲れやすさを改善し、体力と気力の回復をやさしく助ける
こんな症状に:
・食欲が出ない
・食べると胃が重い、すぐ満腹になる
・疲れやすく元気が出ない
・水を飲むと胃がちゃぽちゃぽいう
含まれる生薬:人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、大棗、生姜、甘草
余分や水分を取り除き、胃腸の働きを助けて消化吸収をスムーズにし、エネルギーを生み出す力をサポートします。体の中から元気を引き出してくれる処方です。
2.平胃散(へいいさん)
胃もたれや食後の膨満感が気になる方に。余分な水分や湿気を取り除き、すっきりと軽い胃腸環境へ導いてくれる
こんな症状に:
・食後に胃が張る
・げっぷやガスが気になる
・胃の中が重くスッキリしない
含まれる生薬:蒼朮、厚朴、陳皮、甘草、生姜、大棗
胃の中にたまった余分な水分や停滞した飲食物を取り除き、胃の動きを整えます。食後のもたれやお腹の張りをやわらげてくれます。
3. 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
みぞおちのつかえ感、吐き気、下痢などがある方に。乱れた胃腸の働きを整え、心と体のバランスを取り戻してくれる
こんな症状に:
・みぞおちがつかえる
・吐き気や口の中の違和感
・下痢や便秘をくり返す
・不安感や不眠などの精神症状も伴っている
含まれる生薬:半夏、黄芩、乾姜、人参、甘草、大棗、黄連
胃と腸のバランスを整え、みぞおちの不快感や胃腸の不調にアプローチします。ストレスなどが原因の胃のトラブルにも使われます。
夏の疲れが溜まるこの時期、体内の湿気やエネルギー不足など胃腸をいたわる漢方ケアを
夏の疲れが内臓に出やすい9月上旬は、胃腸の不調が目立ちます。漢方では、体の中にたまった湿気やエネルギー不足に合わせた処方で、消化力を取り戻します。体質や症状に合った漢方薬を取り入れることで、季節の変わり目も元気に過ごせるようになります。