夏は皮脂の分泌が増え、汗や紫外線、冷たい食べ物などが肌に刺激を与えてニキビができやすくなります。さらに、冷房による冷えやホルモンバランスの乱れも原因になります。そんなときこそ、体の内側から整えてくれる漢方の出番です。自分の体質などを確認して最適な漢方を試してみましょう。
夏の皮脂ニキビは内側ケアが大事
湿気と暑さで毛穴がつまりやすく、皮脂が増える時期。漢方では「熱」や「血」の滞りが原因と考えます。その人の体質やニキビの出方にあわせて、体のバランスを整えることで、繰り返す肌トラブルをやわらげます。

ニキビにおすすめの漢方薬3選
1.清上防風湯(せいじょうぼうふうとう): 赤くて熱を持ったニキビが顔に出やすいタイプ
2.十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう): 化膿しやすく、いろんな場所に繰り返しできるタイプ
3.桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん): 生理前に悪化する、下半身の冷えがあるタイプ
1.清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
顔の赤いニキビや熱を持つ肌に。余分な熱を冷ましてすっきり。
こんな症状に:
・顔中心にニキビが出やすい
・赤く腫れて、熱っぽい
・のぼせやすく頭痛やめまいが起きやすい
含まれる生薬:黄連、黄芩、連翹、山梔子、桔梗、石膏、荊芥、防風、薄荷、甘草
体の中にこもった熱を冷ましながら、肌の炎症を落ち着かせてくれます。赤くて目立つニキビを繰り返しやすい方におすすめです。
2. 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
赤く炎症しやすいニキビや、化膿しやすいしつこいニキビに。
こんな症状に:
・膿をもったニキビができる
・背中や顎など、体のあちこちにできやすい
・肌荒れを繰り返す
含まれる生薬:桜皮、柴胡、荊芥、防風、甘草、茯苓、川芎、独活、連翹、生姜
炎症を鎮め、化膿を抑えてくれます。いろんな場所にニキビができて治りにくいときに頼れる漢方です。
3. 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
女性特有の血行不良や血の巡りの悪さによるニキビに。めぐりを整えて肌トラブルをケア。
こんな症状に:
・生理前にニキビが悪化する
・ニキビ跡の「しみ」が気になる
・肩こりや冷え、むくみがある
・下半身が冷えやすい
含まれる生薬:桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬、薏苡仁
血の巡りをよくし、ホルモンバランスの乱れを整えることで、繰り返すニキビを防ぎます。冷えが気になる方にも向いています。
夏の皮脂・ホルモンニキビに内側からの漢方対策がおすすめ
ニキビは皮膚の表面だけでなく、体の中のバランスとも深く関係しています。特に夏は皮脂や熱がたまりやすく、体質に合わせた漢方でのケアが大切です。肌トラブルを繰り返さないためにも、自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、ニキビや体の症状にあわせた対策をしましょう。