冷えによる体への影響とは?早めの漢方ケアが鍵!
手足が冷たい、体が芯から冷える…なんてこと、ありませんか?冷えは肌の調子や体のリズムに影響を与えるといわれています。冷えて血行が滞ると、肩や腰の不調、さらには体の冷えに伴う痛みが気になることも。そんな冷えの悩みには、早めのケアが大切です。つらい冷え、今年は漢方を取り入れて、体を内側から整え、冷えを感じにくい体づくりを意識してみませんか?
冷えの原因は「血」「気」不足!漢方で巡りを意識
冷えは、漢方では体を温めるエネルギーである「気」の不足や、体の末端まで血液が巡っていない「血」の滞りや「血」の不足が主な原因といわれています。この時期は朝晩の寒暖差が大きく、体が冷えやすい時期です。「気」が不足すると手足やお腹など全身が冷えたり、「血」が滞ると冷えとともにこりや痛みが出たりします。体質や状態にあわせて、不足した「気」を補い、滞った「血」を巡らせる漢方薬を選びましょう。

冷えにおすすめの漢方薬3選
1. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):血行が悪く、手足の先が冷えて痛みを感じやすいタイプ
2. 真武湯(しんぶとう):体全体が冷えて、だるさや疲れが取れにくいタイプ
3. 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):冷えとともに不安感やイライラがあり、神経が疲れやすいタイプ
1.当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
血行を促進して、冷えた手足を芯から温める。冷えによる痛みやしもやけにもおすすめ
こんな症状に:
・手足の先が冷えて、触ると冷たい
・冷えると腰痛や下腹部痛がひどくなる
・しもやけになりやすい
・冷えると生理痛が悪化する
含まれる生薬:当帰、桂皮、芍薬、木通、細辛、甘草、大棗、呉茱萸、生姜
当帰や桂皮などの生薬がめぐりに働きかけてくれる。冷えに伴う痛みに用いられる漢方薬。
2.真武湯(しんぶとう)
体を温めるエネルギーを補い、冷えとだるさをスッキリ。胃腸が弱く疲れやすい方の体質改善にもおすすめ
こんな症状に:
・体全体が冷えて温まりにくい
・ 疲れやすく、だるさが続く
・ めまいや立ちくらみがする
・ 下痢をしやすい
・ 胃腸が弱く、冷たいものでお腹を壊しやすい
含まれる生薬:茯苓、芍薬、白朮、生姜、附子
附子や生姜が体を温める働きを持ち、温めることで体内に溜まった水分をスムーズに排出します。
3.柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
冷えと精神的な不調を同時にケア。ストレスで自律神経が乱れやすい方にもおすすめ
こんな症状に:
・冷えとともに、不安感やイライラがある
・動悸がしたり、眠りが浅い
・疲れやすく、神経が疲れている
・寝汗をかきやすい
・ 口が渇きやすい
含まれる生薬:柴胡、桂枝、乾姜、栝楼根、黄芩、牡蛎、甘草
柴胡が「気」の巡りを整え、桂枝や乾姜が体を温める働きを補うことで、冷えや精神面の不調に用いられる処方。
「気」「血」×体質で早めの冷え対策を!
冷えによる手足の冷たさ、だるさ、痛みなどは体からのSOSサインです。漢方では、冷えの原因となる「陽気」の不足や「血」の滞りを、「証(体質)」に合わせて改善します。11月上旬の寒暖差が大きい時期は、特に体が冷えやすいため、早めの対策が大切です。自己判断せず、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、冷えに負けない体づくりを始めましょう。



